大判例

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神戸地方裁判所 昭和43年(ワ)53号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告梶正弘のいわゆる代理監督者責任の有無について判断するに、まず同被告が被告会社の代表取締役であることについては当事者間に争いがなく、次に<証拠>(後記採用しない部分を除く。)を総合すると、被告会社は資本金一〇〇万円、わずか数名の従業員を有する小企業であつて、前記小野浜ビル内にある同会社の事務所には訴外木村宗夫のほか被告会社の監査役にあたる訴外高原八郎、女子事務員一名の計三名が働いているのみであつたこと、木村は高原の指導の下に高原と手分けして業務(中古車の販売)の遂行に当たつていたこと、被告会社の売上金については、毎月末に右女子事務員が被告梶正弘の許(神戸市垂水区神出町田井二二一の五在住)へ届けるかまたは同被告自ら右事務所へ集めにやつて来ていたこと、同被告は集金のため右事務所へ来るほか時折同事務所へ姿をみせ、木村に対しあまり自動車を乗り回さないようにという程度の注意をすることもあつたこと、木村は昭和四〇年一一月ごろ被告会社に採用されるに当たり勤務時間、給与などについて被告梶と話しい、同被告によつて採用されたこと、すなわち被告梶によつて選任されたものであること、以上の各事実が認められ、右認定に反する被告梶正弘本人尋問の結果は前掲各証拠に照らして採用し難い。

ところで、右に認定した被告会社の企業規模、営業の状況、営業利益の帰属関係などから客観的に考察すると、被告梶正弘は被告会社の代表取締役として一般的な業務執行の職責を有するのみでなく、現実に被用者の選任・監督をなすべき立場にあつたものと考えられ、かつ現に木村は同被告によつて選任されているのであるから、同被告をして民法七一五条二項にいう「使用者ニ代ハリテ事業ヲ監督スル者」に該当すると解すべきである。

よつて、被告梶正弘は訴外木村が前記認定のように、その事業の執行につき、その過失によつて惹起した本件事故について、代理監督者として原告らの受けた後記損害を賠償する責任がある。(原田久太郎 竹田国雄 岡本多市)

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